美味しそうな白身の魚、例えばタイとかヒラメが手に入ったら、お醤油だけでなくカルパッチョにして白ワインと合わせたくなりますよね。
タコやサーモンも最高です。
けど自宅で作るのは難しそう。
塩加減がわからない。
失敗してせっかくのお魚を無駄にしたくない。
そんな方も多いと思います。
でも大丈夫!
今からお伝えする方法で作れば、間違いなく美味しいカルパッチョが出来上がります。基本の材料は塩とレモンとオリーブオイルだけ。
プチトマトとディル or パセリもあれば最高です。
簡単だけど最高に美味しいカルパッチョ。ぜひ作ってみましょう!
私は神奈川県小田原市でレモンを栽培している農家です。
NHKの「生きものと作る情熱のレモン畑」という番組で特集もしていただきました。
ケミカルなものを一切畑に持ち込まない農法で、国内に0.1%も存在しないフルオーガニックレモンを作っています。
農家になる前はイタリアンのシェフでした。東京と神奈川で3つのレストランのオーナーシェフをやっていました。なので今回お伝えするレシピは「イタリアンシェフ+レモン農家」の極意です。
★味付け・塩加減に失敗しない方法
人の味覚には個人差がありますが、そんなに大きくかけ離れることはありません。
塩加減で言うと、食材に対して0.8%から1.2%の間で大体決まります。
なので塩加減が苦手な人は、最初に計ると失敗しません。
例えば200gの肉に味をつけるときは塩は大体2gで決まります。
500mlのお吸い物に味をつけるときはおよそ5gの塩で決まります。
カルパッチョは塩だけで味をつけるので、塩加減がキモです。
多くの方が失敗してしまうところです。
まずお魚の重量(パックに書いてありますよね)の1%の塩を計り、直接手で刷り込んでください。茶漉しのようなものでふりかけてもいいです。
使っている塩や食べる人の好みがあるので、1%で一度作ってみて、そこから好みの%を探してみてください。これは人の血液の塩分濃度なんですよ〜
そのままキッチンペーパーに包んでラップして冷蔵庫でスタンバイです(30分〜2日)。
この塩で味が付くだけでなく、浸透圧で余分な水分が出て美味しくなります。塩マリネというワザで、簡単に熟成が行えます。
★お魚を切る極意
切り身を柵で買って自分で切る場合は、包丁を斜めにして、魚の表面積がなるべく大きくなるように切ります。そして出来るだけ薄く切ってください。ふぐ刺しを目指す感じで。これにより舌に張り付く面積が増えて味と食感を楽しめます。
包丁はギコギコしないで1回で引き切りしてください。
塩マリネの後なので、身が締まって切りやすくなっていると思います。
切った魚は大きめのお皿に重ならないように広げて置いていきます。
並べ方は自由です。お皿いっぱいに広げましょう。
お皿の色は白がオススメです
最後に白、黄色、緑、赤のイタリアンカラーになります
ガラス皿は涼しげなのですが水滴が目立ったりテーブルの色が写ってしまいます
包丁に自信がなければ一番簡単な方法。スーパーでも魚屋でも頼んで切ってもらいましょう。店員がいれば当たり前に切ってくれます。
切ってもらった場合でも、おうちで重量を計って塩マリネしてくださいね。この場合は酸化が進みやすいので1日以内に作って食べましょう。
お刺身用の切ったものしかないという場合。
大体の場合、カルパッチョ用にしては厚めに切られている事が多いです。
なんちゃってカルパッチョにはなりますが、それで良ければ進みましょう。
★レモンの魅力を使い切る極意
まず安心なレモンを用意しましょう。外国産はダメです。絶対ダメです。

果汁を搾る量はお魚があまりビチャビチャにならない程度。かかっていれば大丈夫です。
絞った後のレモンは捨てないでください。皮には果汁以上のビタミンCが含まれています。お魚の上ですりおろし器を使って、黄色い部分をお魚にかけてあげてください。香りが一気に立ち昇るはずです。
これも沢山やりすぎると苦味になるので気をつけてください。
★マジックタッチがすべてを昇華させる
次はオリーブオイルを回しかけます。少しお高い「勝負オリーブオイル」を1本持っているとワクワクできます。
かける量は結構多め。しっかりお魚にかかって、お皿にオイルの黄色が綺麗に見えるくらいかけましょう。もしオイルが残っても、パンで拭ったりパスタにかけたり再利用できます。しょっぱ酸っぱいオリーブオイルは何につけても美味しいです。
そして。
ここからがワザです。
お皿の上は薄く切ったお魚が並び、レモンで湿っており、そこにオイルがかかっていますね。そこに人差し指と中指を使って、お魚をポンポンポンと優しく叩いていってください。
マジックタッチです。
これにより浸透圧で出た水分の代わりにレモン果汁が魚に入り、同時にオイルと果汁が乳化します。
これでお魚に魔法がかかりましたよ。
★見た目を整えたら完成!
あとは見た目だけ。
お皿にはレモンの皮とオイルの黄色がすでにあります。
イタリア料理らしく華やかにしたければ、赤と緑を入れましょう。
プチトマトを5mmくらいのサイの目に切って散らします。
ディルかパセリもお皿に散らします。
そこにコショウをふったらもう大ご馳走ですね!
凝りたい人は黒オリーブやケーパーやピンクペッパーも素敵です。
夕食時やパーティの時はマジックタッチまでやってラップして冷蔵庫に入れておき、出す直前にトマトやハーブを散らすパフォーマンスをすれば、あっという間に出来上がって歓声を浴びます。仕上げにオリーブオイルをひと回しすると更に良いです。
出来上がったカルパッチョは熟成してネットリと舌に絡みつき、ちょうど良い塩加減、レモンの酸味と鮮烈な香り、オリーブオイルのフレッシュなコクが口の中で混ざり合い、旨味が鼻腔を抜けて脳にたどり着きます。
それではまとめになります。
塩加減は1%で決まる!
お魚は薄く!難しいなら店員さんにお願いする!
お皿は白!
レモンは皮を下に絞って、さらにすりおろす!
勝負オイルがあるとワクワク!
マジックタッチでお魚に魔法をかける!
お皿に絵を描くようにいろいろ散らして完成!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
レモンとオリーブオイルを使う地中海料理は美味しくて健康的です。
天然のビタミンCは美容健康に最強です。
ぜひご家族で楽しんでください。
