こんにちは。オーシャンレモンです。
私たちは神奈川県小田原市の海の見える1,500坪ほどの農園でレモンを栽培しています。
ケミカルなものを一切農園に持ち込まないフルオーガニック農法で、日本に0.1%もないと言われているレモンを作り販売しています。
私たちはレモンをお届けする際、ボードン袋(ビニール袋)を使っています。
フルオーガニック農家なのにプラスティック?と思う方も多いと思います。
私たちはデータを集め、実験し、考えに考えた末この結論に至っています。
常に勉強を続けているのでこの先変わる可能性はありますが、現時点での考えをお伝えします。
何が一番環境に良い包装資材?
クジラや海亀の胃袋からビニールが出てくるショッキングな映像や、永遠に分解されないマイクロプラスティックなどが耳目を集めました。
2020年にコンビニのレジ袋が有料にもなり、多くのエコバックが販売されたり配布されたりしています。
2021年の調査では1人3個持っている方が一番多かったそうです
その一方で、エコバッグは本当にエコなのか?
ビニール袋より紙袋の方が環境に良いのか?
などの疑問に対して様々な研究データも出ています。
環境先進国の調査データでは?
フィンランド公共放送のサイトによる「どれが一番環境に優しい? プラスティックの袋、紙袋、オーガニックコットンの袋」という記事があります。
14種類のショッピングバッグに対して、原材料、製造、使用、廃棄を考慮した上での環境に与える負荷を計算した2018年の調査結果です。
それによると、使用回数が1回だけの場合はプラスティックの袋が最も環境に優しいという内容になっています。
プラスティック袋よりもエコになるためには、紙袋で11回、布バッグで840回、オーガニックコットンのバッグで2,400回使う必要があるとのことです。
※プラスティックの袋をゴミ袋として再利用した場合の数字です
これはかなり衝撃的な数字です。
紙袋は5回も使えばかなりヨレヨレです。11回は現実的な数字ではないです。
布製エコバッグは2日に1回使うとしても4年半使い続ける必要があります。
オーガニックコットンの場合は13年です。
別の調査で2011年の英国環境省が発表したライフサイクルアセスメント報告書によると、レジ袋よりも地球温暖化の可能性を少なくするためには、コットンのバッグであれば131回使う必要があるとのことです。
※これはレジ袋を再利用しない場合の数字です
ではプラスティックがエコなのか?と言われたら、他に比べてマシと言うだけで環境に良いわけではありません。

農家が使うボードン袋
わかりやすい例としてレジ袋を挙げてきましたが、農家が使うのはボードン袋です。
スーパーでも野菜が入っているのはボードン袋という名のビニール袋です。
野菜の特性に合わせて、厚さや空気の浸透性などが考慮されています。
つまり、食品にダメージを与えずフードロス削減の役割も持っています。
もしダメージがあった場合は商品を送り直すことで二酸化炭素を排出にも繋がってしまいます。
私たちはレモンが適宜呼吸ができるように4つの穴が開いた袋を使い、季節や気温によって自分たちで切り込みを入れカスタマイズしています。
紙袋、紙の緩衝材、厚手の段ボールなど多くの資材を試してきました。
古新聞やオーガニックの稲わら麦わらも試しました。
どれもこれもご家庭で大量のゴミになり、紙袋は前述のデータではエコではありません。
組み合わせもいろいろ試しました。
ビッグサイトの包装資材展示会にも行って探しました。
その結果「栄養素を損なわない」という私たちの願いも叶うのが今の形でした。
ただ、環境に良いわけではないのも承知しています。
農家の私たちができること
これ以上今の私たちにできることは、お客さまにお願いすることです。
ボードン袋を再利用してほしいです。
穴のあいた袋の使い方をご家庭で考えていただけないでしょうか。
そして廃棄する際は、自然環境に混ぜることなく、決められた方法でゴミ出しをお願いします。
皆さまそれぞれの考えやお立場があると思います。
違う情報を持っている方もいらっしゃると思います。
いろいろな要素が絡み合ってベストの解が無い問いかもしれません。
それでもより良い答えをいつも探しています。
何か良いアイデアがあったらぜひ教えてください。
地球温暖化や環境汚染は一次産業に関わる人間にとってより深刻な問題です。
最前線でその影響を実感しています。
農家は嘆くだけでなく、その原因の一端が自分たちであることも受け止めなければなりません(農薬、化学肥料、有機肥料)。
オーシャンレモンは農地の汚染だけでなく、物流やフードロスまで考えて農業を行なっています。
どうかご理解と応援をお願いしたいです。