オーシャンレモンの始まり
長年放棄されていたこの農園は、背丈以上のヤブや草に阻まれ、最初は文字通り一歩も入ることができませんでした。
中はうっそうと木が茂り、ツタが絡まったジャングル状態です。

意を決し草刈り機とナタを持って四つん這いになり中にわけ入ると、見たこともない、足の多い虫がそこら中で蠢(うごめ)いています。
たくさんのハチの巣とアシナガバチ、木の上では蛇がとぐろを巻き、イノシシが暴れまわった跡。
「怖い怖い怖い」と心の中で叫びながら進んで行くと……1本の瀕死のレモンの木を見つけました。

下草をナタで払いながら何とかそこまでたどり着き、覆いかぶさったツタや枝を払いのけ、周りを少しづつキレイに刈っていきます。そしてまた次のレモンの木を発見する。

この作業を延々と繰り返していきました。
2年間。
ある日、作業を終えて今日はこれで帰ろうと振り返ると、海が見えるようになっていました。傾斜を登りながら開拓した結果、視界が開けていたんです。

泥だらけでヘトヘトでしたが、何だかすごく感動して、いつかこのレモンを販売できるようになったら「オーシャンレモン」という名前にしようと決めました。
こうやって約100本のレモンの木を発見し救済しました。
陽があたり風が通るようになるとレモンの木は嬉しそうに枝葉を伸ばしていきます。
アシナガバチとイノシシは相変わらずですが、昆虫はテントウ虫や蝶々など見慣れたものに変わっていき、気持ちの良いフィールドへと変わっていきました。
今では農園は様々な息づかいが聞こえてくる生き物の楽園です。
多種多様な生物が世界を織りなしています。
多くの生物がここで生き、繁殖し、捕食されたり土に還ってレモンの実へと繋がっていきます。

農園そのものを発酵させるフルオーガニック農法についてはこちらをご覧ください。

出荷場
収穫したレモンには天然の酵母や乳酸菌が付いています。
これも一緒にお届けしたいのです。
なので洗いません。
今まではオーガニックコットンを浄水で湿らせて、さっと拭いてお出ししていました。
ある日ネットを見ていたら、環境省が策定した名水百選の中で、美味しい水部門の1位が丹沢だということを知りました。
さらに丹沢の水源地を探していくと、以外にも農園から近いということに気づき、「であれば日本一の水でレモンを拭きたい」というワガママを発動させて出荷場を移動しました。
最寄りのコンビニまで車で15分かかります。
でも本当に水が美味しい。
せせらぎを聞きながら、鳥の声を聞きながら、発送作業を行っています。
きっとこの心地よさもレモンの購入者に響くはず。そう思っています。

オーシャンレモンのコンセプトは「リペア」です。
経済効率ではなく、人間と環境のリペアにレモンをリンクさせています。
どうか必要な人に届きますように。。
私たちは買い支えてくれるお客様と一緒に、自然とともに、生命とともに歩んでいきます。
レモンのリペア機能はこちらをご覧ください。
